大野和士とパリ管弦楽団が、伝説の映画「メトロポリス」で大成功
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2023年5月、大野和士の指揮のもとパリ管弦楽団が作曲家マルティン・マタロン氏に
よる『メトロポリス』がフランスで初演されました。
伝説的SF映画『メトロポリス』は、『ブレードランナー』など未来を描いたSF映画の
先駆けといえる存在です。
ここに現地メディアで公開された公演批評の一部を紹介いたします。
レビュー
『メトロポリス』映画音楽コンサート
原作:フリッツ・ラング(1927年ドイツ)
作曲:マルティン・マタロン
指揮:大野和士
楽団:パリ管弦楽団
公演:2023年5月19日
会場:フィラルモニ・ド・パリ
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掲載:Fomalhaut
2026年の未来都市を舞台した物語『メトロポリス』は、時代を超越した作品である。
1927年に制作された映像には、驚くべき先見性でその後の20年間のドイツを想像した
光景が描かれている。
支配への欲求、スタジアムに降り立った神々の神話、女性の形をしたアンドロイドで
表現された超人の探求、強制労働収容所、追放者たちの登録、フリッツ・ラスプが演
じる実在のゲシュタポのスパイ、そしてロトワング博士のドアにつけられたユダヤ人
を識別されるダビデの星など。
会場のフィラルモニ・ド・パリでは、作曲家マルティン・マタロン氏の新曲に加え
『メトロポリス』の素晴らしい編曲が二晩にわたって上演される。マタロン氏はアル
ゼンチン出身。作曲家のオリヴィエ・メシアンとピエール・ブーレーズの弟子であ
る。2016年にオペラ作品『L'Ombre de Venceslao』がフランス全土で公演され一躍
有名になった。
音響効果がオーケストラの構造と非常に自然に溶け合い、作曲の映画的な側面を高め
た。我々が絶大な信頼を寄せる大野和士は、彼一流の現代音楽の擁護者たる確かな手
腕で、パリ管弦楽団の見事な楽団に、正確なリズムと贅沢な音色の展開を吹き込ん
だ。
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掲載:ANACLASE
作曲家マルティン・マタロン氏は、いくつかの重大な段階を経て今回、彼の『メトロ
ポリス』の最終形と思わせてくれるものを作り出した。
それが大野和士の細やかな指揮のもと、パリ管弦楽団により見事に表現され、感染力
を秘めた食指であらゆるニュアンスを楽しみつつ、物語性のある作品に奉仕すること
に秀でたオペラ指揮者としての本領を発揮した。
大野が指揮したオペラ作品は以下の通り。ホヴァーンシチナ、バッカスの巫女、ジュ
リー、放蕩児の遍歴、ロジェ王、マノン・レスコー、鼻、マクベス、期待、子供と魔
法、フィデリオ、カルメル派修道女の対話、ホフマン物語、ねじの回転、ムツェンス
ク郡のマクベス夫人。そして『メトロポリス』フランス初演は大成功だった!
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掲載:ResMusica
『メトロポリス』は、作曲家マルティン・マタロン氏によって新しい息吹を与えられ
たオーケストラと電子音の新譜で、フリッツ・ラング監督の映像に合わせて書かれた
ものである。無声映画の最高傑作に触れた観客の興奮はいやがおうにも高まった。
我々はオーケストラの熟練ぶり、そして作曲家が一時性を処理しつつも音楽的な語り
の流動性を保持する能力、それに自然さ、色彩の官能性、音とイメージを完全に調和
させるバランスの正確さに驚嘆させられた。
パリ管弦楽団の演奏家たちは、たしかに全員が優れた音楽家ではあるものの、ここま
で輝きを放つ境地に達することは珍しい。見本のような権威をもって指揮した大野和
士の功績であると言えるだろう。
photo (c) Nicolas Botti