訃報 指揮者 アレクサンドル・ヴェデルニコフ 逝去のお知らせ 訃報 指揮者 アレクサンドル・ヴェデルニコフ 逝去のお知らせ

訃報 指揮者 アレクサンドル・ヴェデルニコフ 逝去のお知らせ

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追悼
アレクサンドル・ヴェデルニコフ (1964年1月11日〜2020年10月29日)
ロシアの名匠、アレクサンドル・ヴェデルニコフ がコロナ感染症により56歳の若さで亡くなりました。現在デンマーク王立歌劇場首席指揮者、ミハイロフスキー劇場音楽監督・首席指揮者の任にあったヴェデルニコフは、93年の初来日以降、幾度も日本を訪れ数々の名演を披露してくれました。
今後益々の円熟と活躍が期待されていただけに、その早すぎる逝去が悔やまれてなりません。
才能あふれる音楽家であったと同時に、ユーモアと優しさに満ちたその人柄で誰からも愛されたマエストロ・ヴェデルニコフ。
ここに心からの哀悼の意を捧げます。

アレクサンドル・ヴェデルニコフ (指揮)

デンマーク王立歌劇場首席指揮者
ミハイロフスキー劇場音楽監督・首席指揮者

モスクワ生まれ。父(同じくアレクサンドル・ヴェデルニコフ)はかつてのボリショイ劇場の高名なバス歌手である。モスクワ音楽院を卒業後、88年から2年間スタニフラフスキー&ミネロヴィチ・ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場で指揮者として所属。また88~95年までチャイコフスキー交響楽団にて、アシスタントから第二指揮者まで昇進。95年ロシア・フィルハーモニー交響楽団を設立、芸術監督および首席指揮者に就任(04年まで)。ロシア若手指揮者の中でも特に注目される存在となる。01年に伝統あるボリショイ劇場の音楽監督および首席指揮者に37歳の若さで就任すると、退任の09年までに上演の改革を推し進め、短期間で高い評価を得ることに成功した。09年から18年まで、デンマーク・オーデンセ交響楽団首席指揮者を務め、現在は同団の名誉指揮者。更に2018年9月から、デンマーク王立歌劇場の首席指揮者に就任。2019年2月には、サンクトペテルブルクのミハイロフスキー劇場の音楽監督・首席指揮者に就任している。
客演活動は非常に多く、パリ管弦楽団、BBC交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団など、各地の主要オーケストラを指揮している。オペラではミラノ・スカラ座をはじめ、フェニーチェ、フィレンツェ、ボローニャ、トリノ、ローマのイタリア主要オペラ劇場を指揮しており、05年にはパリ・オペラ座にも登場している。近年ではベルリン・コーミッシェ・オーパー、メトロポリタン歌劇場、チューリヒ歌劇場、フランクフルト歌劇場、デンマーク国立歌劇場などに客演している。
 日本においては、93年に東京フィルハーモニー交響楽団に客演。02年・04年にはロシア・フィルハーモニー交響楽団を率いて来日公演を行う。09年には、ボリショイ劇場の来日公演を成功に導き大きな話題となった他、代役として急遽NHK交響楽団の演奏会に初登壇し演奏会を成功に導くと、以後11年5月、14年1月、16年10月、18年12月と定期演奏会に招かれ共演を重ねている。更に、13年には東京二期会公演 ヴェルディ:マクベスで日本のオペラ団体との初めての共演を果たし、東京交響楽団にも客演。東京交響楽団とは17年にも再度客演している。更に兵庫PACオーケストラへの客演の他、夏の札幌でパシフィック・ミュージック・フェスティバルの客演指揮者を務めるなど、日本においてもその手腕が高く評価されている。

photo: Marco Borggreve