• 市原多朗 (テノール)

    Taro ICHIHARA (TENOR)

    © Eiji Shinohara

プロフィール

山形県酒田市出身。東京芸術大学、同大学院修了。加藤千恵、金内馨子、渡辺高之助の諸氏に師事。
第48回毎日音楽コンクール(現日本音楽コンクール)第1位。第15回日伊声楽コンコルソ第1位。

「第九」「メサイア」など宗教曲のソリストとして活躍の後、1980年二期会公演「ウェルテル」でタイトルロールを歌いオペラ・デビュー。1981年渡欧し、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院でジョルジュ・ファヴァレット氏に師事。同年、第21回ヴェルディ国際コンクール第2位(1位なし)と AMAL賞、第19回フランシスコ・ヴィニャス国際コンクール第1位大賞、あわせて最優秀テノール賞とヴェルディ賞を受賞。

1982年リスボンのサン・カルロス歌劇場で、「トゥーランドット」のカラフを歌い、海外オペラ・デビュー。1984年、ザルツブルク音楽祭に日本人歌手として初出演を果たし、ヴェルディの「マクベス」(マルコム役)を歌う。またパリ・オペラ座にも「マクベス」で日本人男性歌手として初登場。1984~1985年シーズンには、パリ・オペラ座史上で、1シーズンの主役テノール歌手最多出場記録となる。以降、アメリカでは、メトロポリタン歌劇場(「仮面舞踏会」「リゴレット」「ルチア」「トスカ」「ばらの騎士」で 7 シーズン連続主役を務める。)、シカゴ・リリックオペラ他、イタリアでは、ミラノ・スカラ座を始め、ナポリ・サンカルロ劇場、トリノ王立歌劇場、ボローニャ歌劇場、ドイツのハンブルク国立歌劇場、ケルン歌劇場、フランスのリヨン歌劇場、ニース・オペラ座、オランジュ夏の音楽祭、アルゼンチンのテアトロ・コロン等、世界各地の歌劇場や音楽祭に招かれて歌っている。あわせて日本国内でも、藤原歌劇団「仮面舞踏会」(1986年)で国際デビュー後の凱旋公演を飾って以来、同歌劇団の数々のオペラ公演はじめ、新国立劇場主催公演、ハンブルク国立歌劇場来日公演、主要オーケストラの定期演奏会、リサイタルなど、数多くのオペラ、コンサートに招かれている。2003年には、NHK 国際音楽祭 シャイー指揮 ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団、合唱団とのヴェルディ「レクイエム」のソリストとして絶賛を博した。
1987年芸術選奨文部大臣賞新人賞、ジローオペラ大賞、1990年酒田市特別功労表彰。
ショルティ、シャイー、メータ、マゼールなどの著名指揮者とも共演し、正統派ベル・カントの圧倒的な美声と表現力で、まさに世界を舞台に活躍している。

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