アーティスト

大野和士 指揮

プロフィール

大野和士の神業 ― 高度な演奏能力を求められる挑戦的なオペラ作品を巧みに采配する完璧な指揮

MUSICAL AMERICA - プロコフィエフ「炎の天使」 - エクサンプロヴァンス音楽祭


 リハーサル時の大野和士の一貫した冷静さ、それは対峙する音楽を完璧に掌握しているからだけではない。大野がその作品のすべてを受け入れ感じ取っているからだ。

音楽家たちと共に創り上げ追求したいという飽くなき情熱が叡智となり、 衒いない表現豊かな指揮として体現され、実に深いメッセージへと昇華される。

公演の後はピアノで一節を奏でながらリラックスするのが習慣。彼にとって音楽とは、人生の中核となる原動力である。


 東京都交響楽団およびバルセロナ交響楽団音楽監督、さらには新国立劇場オペラ芸術監督として新作やプロジェクトを主導。サントリーホールでの初演後、BBCプロムスで演奏されたマーク=アンソニー・ターネジ作曲による『Hibiki』や、西村朗作曲で石川淳の小説をオペラ化した『紫苑物語』など数々の成功を収める。また、東京芸術文化評議会評議員メンバーとして、演出家アレックス・オリエとバルセロナ交響楽団とともに2019年夏に『トゥーランドット』を上演することを提案。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に先立ち、東京文化会館および新国立劇場が連携して2年にわたり展開する国際的なオペラ・プロジェクトの初年として、日本における芸術の質の高さを知らしめた。


 大野は世界から引く手あまたの存在であり、これまでにハレ管弦楽団、BBC交響楽団、パリ管弦楽団、フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、ヒューストン交響楽団といったオーケストラでの客演を多数。その中で彼の類まれな指揮は、「繊細な美しさ、満ちあふれる威厳、心を揺さぶる感動の渦に包まれた最高のコンサートをもたらした」と高い評価を受けている。最近のオペラ作品としては、リヨン歌劇場首席指揮者としての最後の作品で、2019/20シーズンにモネ劇場でも上演されるオネゲルの『火刑台上のジャンヌ・ダルク』(カステルッチ演出)、フランクフルト歌劇場で初演を迎えたヘルマンの傑作『借家人』、ワルシャワとエクサンプロヴァンス音楽祭で上演されたプロコフィエフの『炎の天使』(トレリンスキ演出)がある。


 また、ベルギー王立モネ劇場でパッパーノの後任の音楽監督として輝かしい6年間を過ごした後、2008-2017年にはフランス国立リヨン歌劇場首席指揮者を務め、プロコフィエフ『賭博者』、ベルク『ルル』、ワーグナー『パルジファル』などの作品で国際的な名声を得た。リヨン歌劇場での任期後にはフランスのフランソワーズ・ニッセン文化大臣より芸術文化勲章「オフィシエ」を受勲。2015年1月に日本社会への貢献に対して授与された朝日賞に続く名高い賞の受賞となった。